『自分の本心を見つける方法』

 

これは、小さなローカルラジオ局で
ちょっと人気がある番組のお話。

 

そこでは、リスナーからの便りを
読む時間が特に人気だった。

 

 

DJがちょっとした人生相談
みたいなことをしていたのだが

 

それが、なかなか好評だったのだ。

 

 

 

リスナーからの相談に
とても親身になって考えるあまり
涙声になるときさえあった。

 

 

そんな、


彼の純粋な性格に

リスナーは心引かれていった
のかもしれない。

 

 

 

今日も、気がつけば
リスナーからの相談タイムが
始まろうとしていた。

 

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はい!どうもこんにちは!
今日もお便りのコーナーが
始まりましたー!

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そんないつも通りの
出だしから始まった。

 

その日も色々な
相談内容の手紙が
送られてきていた。

 

 

恋愛やおもしろ相談や
誰にも言えない秘密の相談。

 

そんな事に
彼はおもしろ可笑しく
答えていっていた。

 

 

(今日はなかなか良い調子だ!)
と感じるほどだった。

 

 

そして、ある相談の手紙が
彼の手元にやって来たのだった。

 

 

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ん?お名前が見当たらないなぁ。

 

名無しのごんべえさんで
よろしいでしょうか?

 

 

 

んー、なになに。

 

 

 

私は、25歳のOLです。

これといって特に特徴もなく
これといって特に生きる意志も
思いも見当たりません。

 

人生に虚しさを感じています。

 

生きることに何の意味があり
どうして生きなくては
いけないのかさえ分かりません。

 

 

もう、こんな人生は
終わりにしたい。

 

いっそのこと死にたい…。

 

 

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そこで、手紙は終わっていた。

 

手紙を読み終わると
ほんの少し無の時間が
辺りを包み込んでいた。

 

無口になっていることに
気がついたのか
それとも、スタッフに
促されたのか

 

彼は重い口を開いた。

 

 

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いやー、まず一つ
謝らせてください。

 

 

名無しのごんべえさんとは
呼ぶのは失礼ですね。
本当にすいません。

 

 

あなたが自分の名前を
書けなかった理由が
なんとなくわかりました。

 

名前を名乗る事すら
自分の人生において
意味のないことのように
感じたのでしょうね。

 

 

でも、

できれば私はあなたの
名前が知りたかった。

 

 

 

例えペンネームでも
人が名前に込める思いを
感じたいんですよね。

 

 

 

もし、


また、お便りを
頂ける時は
お名前を
教えて下さいね。

 

 

 

あなたの名前は
あなたが生きた証なんですから。

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周りのスタッフは
いつもの軽快な彼のしゃべり方と
違うことに気が付いていた。

 

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それでは、

このお便りの相談に
答えていきましょうかね。

 

 

なんだかこの悩みは
他人事のように思えないんです。

 

どうしてかと言うと
自分自身もあなたと全く同じ
悩みを抱いていたからなんです。

 

 

 

普段から聞いてくれている
リスナーのみんなからすると

 

 

おいおい…。

いつもくだらない事
ばっかり言ってる奴が
何言ってるんだ(笑)

 

と感じるかもしれませんが。

 

 

 

 

私が同じ思いを抱いたのは
この仕事に携わる前でした。

 

 

ラジオの仕事の前は
普通のサラリーマンで
営業をしてたんです。

 

仕事は特に悪くなく
今、思えば至って順調でした。

 

 

 

でも、

何故だか虚しかった。

 

 

 

同じ日々が繰り返され
意味のないと感じる仕事に
やりがいも見当たらず

ただ、時間だけが刻々と
過ぎていってるようでした。

 

 

 

俺は生きてるのか?
何のために?

 

 

 

 

そんな事を気がつけば
毎日毎日、頭の中を
駆け巡っていました。

 

 

 

答えの出ない悩みってさ。
本当に辛いよね。

 

 

 

どんだけ考えても
どれだけ苦しんでも
答えが出ないんだもん(笑)

 

嫌になるよね。

 

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そこで、彼は一旦
ひと呼吸置いたようだった。

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ある日のこと。

 

そう確か週末で
買い物がてら散歩を
しているときだった。

 

 

夏だったのに
その日だけは風が
とても清々しかったのを
覚えてるなぁ。

 

 

 

お母さんと子供が
本屋さんにいたんだけど
子供が泣いてたの。

 

欲しい本を手に持って
お母さんに買ってくれ!
と懇願しながら。

 

もう、ギャン泣きですよ(笑)

 

 

 

その姿を見たときに
なんだか凄い凄い
羨ましかったんですよ。

 

 

 

 

 

『これが、欲しい!』
っていう思いを全力で
他の誰かに伝えられる。

 

 

 

 

 

これって、自分にはない。

 

 

 

 

是が非でも叶えたい思いが
あることがとてもとても
羨ましかった。

 

 

 

みんなにはあるのかなぁ?

 

 

 

『これを叶えたいんだ!』
って泣きながら訴えられること。

 

 

 

 

 

俺には、なぁんにもなかった。

 

 

 

 

 

それから、家に帰って
ビール飲んでると
ふと頭をよぎったんだ。

 

 

死にたい。って。

 

 

 

まさしく、

この手紙をくれたあなたと同じ。

 

 

 

いや、もしかすると
あなたよりも強い思いが
あの時、あったかもしれない。

 

 

でも、死ねなかった。

 

 

 

 

 

そりゃそうだよね。
俺にはそんな勇気ないもん(笑)

 

 

 

そのとき、

死ねない自分を客観的に
見てる自分がいたの。

 

 

そこで、気がついたんだ。

 

 

 

 

『自分自身の本心に。』

 

 

 

 

 

あぁ、そうかぁ。

 

 

 

 

【俺は生きたいんだ!!】
ってことに。

 

 

 

 

本当に死にたいんなら
死ねてるよね。

 

でも、死ねなかったのは
死ぬ意思が元々ないから。

 

 

 

 

本心は『生きたいんだ!』

 

 

 

 

人は自分が強く抱く思いが
自分で気がつかないときには
逆の思いを抱かせる。

 

そう感じたんだ。

 

 

 

 

そして、

俺は『生きよう!』
って決めたんだ。

 

 

 

 

 


本屋でギャン泣きししてた
あの子供のように

是が非でも叶えたいものを
探してやるんだ!ってね。


 

 

 

 

そこからは
自分自身の中の声に
耳を傾けたんだ。

 

そして、

 

自分の言葉で
誰かを笑顔にしたい欲が
あることに気がついたんだ。

 

 

 

『欲って、大事だねぇ。』

 

 

 

欲があるから人は生きられるし
欲を叶えたいから人は
今日も頑張って生きよう!
って思えるんだ。

 

 

バカな俺でもその事が
よーく分かったんだ。

 

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スタッフの中には
彼の話を聞いて
涙ぐんでいる人も居た。

 

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今は名前のない
あなたに伝えたい。

 

 


あなたは死にたいんじゃなく
あなたは生きたいんだ!

それも、誰よりも思いきり
生を感じたい人なんだよ!


 

 

 

あの子供のように
思いきり泣きながら
思いきり叫んでみるんだ。

 

 

 

 

『思いきり生きたい!』って。

 

 

 

 

それが、

『あなたの本心』なんだから!

 

 

 

 

 

思いきり叫んだら
心がスッキリするはずさ。

 

 

 

それから、

 

 


『思いきり生きてる自分』を
考える時間を作ってみよう。

 

『自分の欲』を見つけるために
『自分の声』を聞いてみよう。


 

 

 

それを叶えることが
あなたの生きる意味だし
あなたの人生なんだから。

 

 

 

見つけたら後は止まらず
突き進んで下さいね!

 

 

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その手紙を読んでから
9カ月後の事だった。

それは、夏だというのに
風が清々しい日だった。

 

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はい!どうもこんにちは!
今日もお便りのコーナーが
始まりましたー!

 

 

今日の最初のお便りは
えーっと、ペンネーム

 

 

 

『ギャン泣き娘』さんから!

 

 

 

えー、なになに?

 

9ヶ月前に私の相談に
本当に親身になって
答えてくださり
ありがとうございました。

 

 

なぜだか分かりませんが
あの時、たまたまラジオを
つけて聞いていました。

 

 

まさか、

自分の手紙が読まれるなんて
思いもしませんでした。

 

 

 

それに、あんなに心に響く
答えをくださるなんて
感謝してもしきれません。

 

 

あれから、

教えて頂いた事を実践し
『自分の本心』を見つけました。

 

 

 

『私は今、思いきり生きています!』

 

 

 

この事を、どうしても
お伝えしたくて再度
お便りを書かせて頂きました。

 

本当にありがとうございました!

 

ギャン泣き娘より。

 

 

 

いやー、そうかぁ。
覚えてる覚えてるよ。

 

あの相談の子だよね。
嬉しいなぁ。

 

 

ダメだ嬉しすぎるわ!

 

 

『人生って本当最高だね!』

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リスナーの耳には
鼻水をすすりながら話す
彼の涙声が届いていた…。

hot-chocolate

 

 

 

 

 

 

 

 

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